契約条項の解説

ここでは一般的な注意点を記載しました。契約書の内容が不当に厳しかったり、意味が良く分からないときは必ず不動産会社に確認して下さい。

契約当事者
借り主はいいとして、貸し主が誰かというのは最も基本の事柄です。物件所有者である大家さんなのか、管理を任されている 不動産会社なのか。不動産会社が大家さんの代理で契約するときは委任状を念のため確認しましょう。ちなみに一般の賃貸借契約書 では貸し主を「甲」、借り主を「乙」と表示するのが普通です。
使用目的
通常は住宅使用に限定され、用途変更は禁止です。大抵の場合、勝手に事務所利用にしたり、また貸し(転貸)することは契約の解除要件として定められています。
入居者
契約時に入居者は確定します。ご夫婦で子供が生まれるといった場合を除き、勝手に同居者を増やすことは禁止事項になっていることが大半です。
賃料の改定
契約では、貸し主が一方的に増額できるという規定になっていることもありますが、実際には周辺相場との比較で決まることが多いので、賃料改定が実務上どのように行われているかを確認します。 法律では、貸し主・借り主どちらからでも、時期を問わず賃料の改定(増額、減額とも)を申し入れることができることになっていて、仮に借り主に不利な内容の特約(○年毎に△%値上げをする等)があったとしても、必ずしもそのまま適用されるというものではありません。ただし無用なトラブルを避けるためにも、内容がおかしいなと思ったときは必ず主旨を確認することが必要です。
敷金
敷金は賃料の2ヶ月分程度が相場ですが、賃料が改定されたときは連動して改定されることが普通です。 通常、敷金は賃料等の支払いの担保として貸し主が預かりますが、借り主は敷金を預けていることを理由に賃料等の支払いを遅らせること はできません。また退去する場合は契約が終了し、部屋の明け渡しが完了した後に返還されますが、その際に原状回復費用と相殺されることがほとんどです。時期については速やかに返還される場合と、1ヶ月後などと取り決めがある場合がありますので必ず確認しましょう。いずれにせよ返還は契約終了・明け渡し完了後となりますので、新しい賃貸住宅に引っ越す場合の敷金としてあてにすることはできません。
借主の修繕義務
貸し主と借り主の修繕範囲の取り決めは契約で定めることができ、一般的には電球の交換や畳表の取り替えといった軽微な内容が借り主の負担になるのが普通です。単に軽微な内容とだけ記載されている場合はどの程度までが自分の負担になるのかを確認しましょう。また貸し主には健全な状態で部屋を貸す責任があり、借り主は部屋の設備などに不具合が生じたときは貸し主 に修理を求めることができます。
解約
借り主は契約で定められた解約予告期間(通常1・2ヶ月)をもって、いつでも解約の申し入れを行うことができます。一方貸し主が契約を 解約するためには、賃料の不払いや他の入居者への迷惑などにより信頼関係が破壊されたといった正当な理由が必要になります。 貸し主が解約の申し入れをしても、借り主は自分に重大な落ち度がない限り部屋を明け渡す必要はなく、また契約で貸し主が契約を解約できる条件を定めていても、必ずしもそのとおり適用されないというのが法の見解です。ただし契約に定める禁止事項を破ることは信頼関係破壊の第一歩です。あまりにも厳しい内容の時は契約前に話しあいを行い、納得して契約するようにしましょう。
更新料
更新料は契約で双方が合意していれば有効で、借り主に支払い義務が発生します。
内装の変更工事

 

大抵の場合、室内を無断で改造(模様替えを含む)する事は禁止事項となっています。ついつい自宅のつもりでということがありがちですが、賃貸住宅も人からものを借りていることに他なりません。貸し主の許可が必要な行為を確認しておきましょう。
原状回復
原状回復とは借り主が部屋を明け渡すときに、部屋を元のとおりに戻す工事のことをいいます。賃貸住宅に関して最も揉めやすいのが この原状回復に関することですので、少し詳しく説明します。
法律
民法という法律で賃貸借全般について定めていて、賃借人(借り主)は賃貸借の終了時には物件を原状(元の状態)に戻さなくてはならないと定めています。この場合の元に戻すというのは主に破損等の修繕を意味しているものと解されます。
行政の指導
賃貸住宅において借主が原状回復で負うべき責任は、故意または過失によりもたらした貸室の汚損、破損に限定されていて、通常の生活において発生する汚れや傷及び経年劣化の修繕は貸し主が負担するものとされています。
実務
契約上で原状回復の負担割合を一覧表にしている場合も良く見受けられますが、それでも借り主の故意・過失と自然損耗の明確な区分は実質的には難しいため、室内クリーニングは借り主負担、クロスの貼り替えなどの工事部分については入居期間に応じて負担割合を決めるケースが一般的になっています。大抵の場合、長く入居すればするほど自然損耗の度合いが高くなるため貸し主の負担が増えるという考え方を取っていますが、詳細はケースバイケースなのでこの考えを前提に話し合いを行うというのが実情です。
また原状回復工事は物件保全の観点から貸し主が指定する業者で行うと定められていることがほとんどですので、契約書に記載はしないまでも退去時には見積書を必ず見せてもらうようにします。
 
以前は、原状回復といえば全て借り主負担という考え方が主流で、通常原状回復費用には敷金を充当するため、返ってくると思っていた敷金が 戻らないばかりか、かえって不足分を請求されるというケースも多く見受けられました。 昨今ではその様なことは少なくなってきている様ですが、仮にその様な請求がなされたときには理由を尋ね、話し合いを行う必要があります。 このような請求が行われる背景には、借り主側の情報不足もあると思われますので、その場合は即答せず生活消費者センターなどに対応策を相談することが望ましいと思われます。そういった行動を取ることで大抵の場合は無茶な要求は取り下げることが多いようです。
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