■ 退職金の税金
住宅ローンの返済について、最後は退職金で支払えば良いと考えている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし夫婦の定年後の生活費は、ごく一般的な生活でひと月当たり約25万円、ゆとりのある生活をしようと思うと約38万円が必要と言われています。
65歳まで現役で働いたとしても、平均寿命が男性78歳、女性86歳であることを考えると、定年後の生活費にはかなり多額のお金が必要であることがわかるかと思います。
<参考/夫婦が同い年の場合>
66〜78歳
79〜86歳
(夫婦二人の生活費の60%)
合計
基本的な生活
3,900万円
(25万×12ヶ月×13年)
1,440万円
(25万×0.6×12ヶ月×8年)
5,340万円
ゆとりのある生活
5,928万円
(38万×12ヶ月×13年)
2,189万円
(38万円×0.6×12ヶ月×8年)
8,117万円
65歳からは公的年金が支給されますので、今のままの年金制度であれば満額とはいわないまでもある程度は基本的な生活費をカバーすることができますが、それにしても充分なものではありませんし、将来に渡り現在の年金制度が維持されるかということは誰もが不安に感じていることでもあります。
その様な観点からすると、長年に渡り仕事を努めあげた対価として支給される退職金は老後の生活を支える大きな柱になることは間違いなく、所得税の計算においても、退職金は給与や賞与と異なり分離課税の対象となり、下記のように手厚い控除が設けられています。
退職金の支給が見込まれる方であっても、住宅ローンを安易に退職金で清算することを考えるのではなく、退職までに住宅ローンを返済し終え、退職金は老後資金に廻す資金計画を立てることを心掛けていただけたらと思います。
<退職金の所得税>
■ 退職所得の計算
(支給された退職金の額 - 所得控除額) × 1/2 =退職所得(所得税の計算のベース金額)
■ 退職金の所得控除額
勤続年数
(1年未満切り上げ)
控除額
20年以下
40万円×勤続年数・・・(最低80万円)
20年超
800万円+(勤続年数-20年)×70万円
■ 税額
(退職所得 × 税率) - 控除額 = 退職金に関わる所得税額 となります
※ 税額計算の控除額は下記速算表をご参照ください(上の所得控除とは異なります)
< 税額の速算表>
退職所得
税率
控除額
〜330万円以下
10%
0
330万円超〜900万円以下
20%
33万円
900万円超〜1,800万円以下
30%
123万円
1800万円超〜
37%
249万円
<例>
勤続年数 38年
退職金額 2,200万円(退職時一括払い) の場合
退職所得は
{
2,200万円 - { 800万円 + (38年 - 20年) × 70万円 }
} × 1/2
= 70万円
所得税は
(70万円 × 10%) − 0円 = 7万円
※実際には勤務先を通じて源泉徴収により納税することが一般的です。
所得税以外に住民税がかかります。