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【資金計画(ファイナンシャルプランニング)】
   
  住宅の購入を検討する際に、実際に自分がいくらぐらいの物件を買うことができるのかということは非常に重要なポイントです。
事前に用意できる金額は人により異なりますし、家族構成やライフスタイルもそれぞれ違う以上、購入にかかわる予算は自ずと異なってきます。
住宅を購入するとなると、まず物件探しに気を取られがちですが、安心な住宅購入のためには自分にあった資金計画を立てることが先決です。
   
 
   目 次  
 住宅購入時の基本的な考え方  → GO
 住宅ローンの金額を確認する  → GO
 自己資金  → GO
 収入合算  → GO
 ケーススタディ  → GO
 まとめ(イメージ図、資金計画の作成手順)  → GO
 
  住宅購入時の基本的な考え方
   
  1)住宅ローンと自己資金
    〜住宅ローンは物件価格の8割までが基本〜
   
  住宅の購入を検討する際には、自己資金と住宅ローンによる借り入れを合わせてトータルの購入予算とするのが一般的です。
住宅ローンを利用する場合は、借入限度額の目安を物件価格の8割までをとすることが多いので、住宅ローンで用意する以外の2割と購入に伴う諸費用は自己資金で用意するというのが基本的な考え方となります。

   
  2)諸費用の用意
    〜自己資金は物件価格の3割を用意〜
   
  住宅購入の際に、売買代金以外にかかる諸費用は一般的に新築住宅で3〜6%、中古物件で6〜10%が目安と言われています(引っ越し代や家具・家電の購入は除きます)。

→ 「購入にかかる諸費用
   
  上記1)、2)を踏まえ、住宅購入資金としては物件価格の3割程度を自己資金で用意するというのが原則になります。
物件価格の100%融資や諸費用を含めた全額融資が可能な場合もありますが、月々の返済額は増えますし、売却時の障害になる恐れが強いので避けた方が安心です(売却価格ではローン残債が返済できず結果的に売却ができない可能性があります)。
   
 
  住宅ローンの金額を確認する
   
  STEP1
  基本的には住宅ローンの年間返済額を、長期固定金利商品のフラット35や財形住宅融資の返済基準である年収(額面)の25%以内に収めるように検討します(住宅金融公庫の基準である20%以内に収まればさらに理想的です)。
民間金融機関では、年間返済額を年収の30〜40%までと設定している例もあるようですが、よく言われるように「借りられる額」と「返せる額」は異なりますので、資金計画上はできるだけ負担の少ないほうが望ましいのは言うまでもありません。
但し、年収の25%以内というのはあくまでも目安にすぎません。人生の3大資金需要である「住宅購入」、「子供の教育」、「老後資金」をはじめ、将来に渡っての家計収支のバランスをご自身の家族構成やライフプランに応じて考えるように心掛けてください。

家計の収支をライフイベント表で整理しましょう
   
  STEP2
  年間返済額を年収の25%とした場合に、その金額でいくらのローンが組めるのかを逆算します(試算に使用する金利については長期固定金利を用いるのが原則です)。
借り入れ100万円あたりの毎月返済額が分かる「返済額早見表」というものがありますので、借り入れ金利と返済期間の組み合わせで安全な借り入れ可能金額を把握します。
また収入面からだけではなく、現在の家計の収支上で住宅ローンの支払いに充てられる金額からも試算を行います(収入が多いにもかかわらず月々の収支が逼迫している方は浪費型の生活スタイルに陥っている可能性がありますので、収入面だけから判断するのは危険であるため)。
 
→ 返済額早見表リンク
   
  <例>年収600万円、金利3%、30年ローンの場合
   
  年間返済額 : 150万円(600万円×25%)
月の返済額 : 12.5万円(150万円÷12ヶ月) →安全の目安となる返済額
   
  借り入れ100万円あたりの返済額早見表<抜粋>
(元利金等払い/ボーナス返済を見込まない)
 
 
20年
25年
30年
35年
2.8%
5,446円
4,638円
4,108円
3,737円
2.9%
5,496円
4,690円
4,162円
3,792円
3.0%
5,545円
4,742円
4,216円
3,848円
3.1%
5,596円
4,794円
4,270円
3,904円
3.2%
5,646円
4,846円
4,324円
3,960円
 
  金利3%、30年ローンの場合の100万円あたりの月々返済額は4,216円となり、安全な借り入れ金額の目安は次のような計算で算出します。
   
 
月の返済可能額÷100万円あたりの月の返済額×100万円
   ↓ 実際の数値を代入すると

12.5万円 ÷ 4,216円 = 29.65倍(小数点以下第3位四捨五入)、

100万円 × 29.65 = 2,965万円 

安全な借入金額は2,965万円となります。
   
  尚、ボーナス返済を併用する場合には、月々の返済が減る分、年2回のボーナス時期にまとまった金額を月々の返済とは別に返済することになります。
上記の例で、借り入れ2,965万円のうちボーナス返済分を800万円とすると、返済金額の内訳は次の通りとなります。

月々の返済額・・・91,277円(年12回)
ボーナス返済・・・203,147円(年2回)

また、家計の収支から借入額を判断するときは、月々の貯蓄額のうち住宅ローンの返済に充てられる金額を月の返済可能額をして計算を行います。
   
 
  自己資金
   
  前述のとおり、住宅ローンで用意する以外の本体価格や諸費用は自己資金(預貯金のほか親からの借り入れや贈与を含む)で用意することになります。

購入価格が同じであれば自己資金が多いほど住宅ローンは少なく済み、家計に余裕が出ますし、仮に将来住宅を売却することになったとしても、売却価格>住宅ローン残債であれば売却代金で住宅ローンを完済することができるので売却自体がスムーズに進みます(売却価格が残債を下回る場合は、値段を下げて売るということがしづらいため、売るに売れないという事態になりかねません)。

但し、自己資金が多い方が良いといっても、預貯金全額を投入するのは無謀です。近々必要となることが明白な費用(入学金や車の買い替え等)を残すのは当然として、万が一のときの費用として6〜12ヶ月分程度の生活費は残しておくほうが賢明です。
また 引っ越しや家具調度品の買い替え費用も見込んでおくことが必要です。

→「住宅資金の贈与
   
 
  収入合算
   
  ローン申込者の収入が借り入れに対し不足する場合は、その住宅に同居する親族(配偶者・親・子)の収入を合わせることで融資額を増やすことができます。
合算できる金額は金融機関により異なりますが、民間金融機関の場合は合算者の年収の1/2までを加算できることが多く、合算者が連帯保証人となることや年齢制限が付されることがあります。
収入合算を行う場合は、合算者の収入がなくなったとしても返済額は変わりませんので将来の収入見込みについて注意すると共に、合算割合による持分の共有や住宅ローン控除の適用等について予め確認しておくことが必要です。

→ 「住宅ローンの概要 (chapter4共有)」
   
 
 
ケーススタディ
   
  上記2「住宅ローンの金額を確認する」で見た年収600万円の人が、金利3%、30年ローンで物件価格の8割を借り入れる場合の「借り入れ金額」と「自己資金」の割合は概ね以下のとおりとなります。
(新築物件の場合)
   
  STEP1
 
住宅価格を x(エックス)円 とすると、諸費用は6%程度を目安とするため
0.06x円となり、トータルで必要となる金額は1.06x円となります。

<内訳>
 住宅ローン  : 0.8x円(物件価格の8割)
 自己資金   : 0.26x円(1.06x−0.8x)
       ↓
  STEP2
 
資金計画の前提を下記のとおりとすると

1)住宅ローンの返済額は収入の25%以内
2)住宅ローン以外は自己資金で用意

年収600万円、金利3%、30年ローンの場合における、安全なローン金額の上限は上記2のSTEP2より、2,965万円ですので、住宅ローンから見た適正な物件価格は、

   2,965万円 ≧ 0.8x
   3,706万円 ≧ x

物件価格は3,706万円以下とすることが望ましいということになります。
       ↓
  STEP3
 
また自己資金は0.26x円以上ですので

    3,706万円 × 0.26 = 964万円

自己資金は約1,000万円必要ということになります。
       ↓
 
STEP4
 
あくまでも概算ですが、今回の条件の場合では以下のようになります。
また、3,706万円以上の住宅を購入する場合は、住宅ローンの上限は変わりませんので、自己資金を増やす必要があるということになります。

  物件価格  3,706万円
  諸費用(0.06%)    222万円     計 3,928万円
 <内訳>  
  住宅ローン  2,965万円以下
  自己資金    964万円以上  計 3,928万円(端数は調整)
   
  あくまでも概算です。実際の資金計画は金融機関や不動産会社等にご相談下さい。
   
 
  まとめ
   
  ■資金計画を構成する要素を図示すると下記のようになります。
 
住宅ローンと自己資金の関係
   
  ■資金計画の検討手順は下記のとおりとなります。
 
資金計画の作成手順